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2008年04月25日
今回は「緑」についてのお話です。「緑」というと何をイメージされますか?おそらく樹木や草原の緑を思い浮かべられていると思います。「緑」をイメージすると真っ先に思い浮かぶのがこんな自然の景色なのでしょうね。太古の昔では草木の緑は狩をする時に自分の姿を隠して獲物に近づくため、また、危険な動物から身を隠し、安全を約束してくれる・・・そして新芽のごとく成長を表し、若々しさ・清潔感を感じさせる色です。つまり誰の心にも安らぎを与え、希望・生命・そして平和や安定を象徴する色と言えるのです。「アイレスト・グリーン」という言葉をご存知ですか?「目を休める緑」という意味ですが、緑色を見る事によって自然の心理的な安心感も手伝い、疲れが癒されます。「黒板」も昔は黒でしたが現在は目を疲れさせないよう「緑色」となっていますね。
■インテリアでの「緑」は植物がベスト
こんなに私たちを癒してくれる「緑」ですが実はインテリアには難しい色なのです。私たちが色を感じるのは物理的には光の「反射」なのですが(詳しい説明はここでは避けますが)緑は反射率が低く、遠くから見れば美しいのですが閉ざされた室内で壁などに使った場合近くで見ると人の肌や顔色をくすませてしまう事があります。特に人と会う場所・玄関ならお客様をお迎えする生け花等、リビングならファブリックなどで取り入れるほうが無難です。つまり部屋のインテリアで緑を取り入れるなら観葉植物などで取り入れるのがベストと言えるでしょう。また、会議などの場では色を上手に使う事により、お互いの心理状態をテーマに沿って誘導する事もできます。青いテーブルクロスは重要な交渉や冷静に話し合わなければならない時に、そして緑のテーブルクロスなら友好関係や親睦を深めるための話し合い等・・・、あらかじめセッティングできない時は自身のファッションに緑を取り入れればお互いの心にバランスを取る心理が働き、話し合いは円満におさまるでしょう。ただし緑色は似合う人・似合わない人が案外はっきりと分かれる色ですので色選びはくれぐれも慎重に。
![]() Profile 尾野 早映子(おの さえこ) カラー&イメージコンサルタント |